今回の池上彰解説塾は「ノーベル平和賞に隠された思惑」としてノーベル平和賞を授与する側の意図について取り上げていました。

毎年10月になるとノーベル各賞の話題でニュースが華やぎます。なかでも平和賞は持ち上げられがちなのですが、この番組ではその光と影を丁寧に扱っていました。
そもそもノーベル賞とはアルフレッド・ノーベルが築いた莫大な財産を基金としており、氏に子供が居なかったため設立されたものですが、その富をもたらしたものがダイナマイト等の爆薬の開発・生産によるもので、そこから平和賞が授与されると考えると、なんとなく皮肉を覚えないでもありません。

さて、ノーベル平和賞の思惑についてですが、池上さんは「ノーベル平和賞って世界を平和にしたその実績に対して与える場合もあれば、賞を与えることによって平和をもたらそうという思惑もまたある」と解説。
賞を与えることで平和をもたらすという思惑で思い出されるのは、アメリカオバマ大統領への核兵器減縮発言に対する平和賞授与です。しかし、当時でもアメリカはイラクとアフガニスタンで戦争をしていたという事実があり、その授与の効果については判断しかねるところです。

過去、戦争終結や人権問題に尽力した人に授与していましたが、近年では環境問題への取り組みやグラミン銀行に平和賞を授与しています。環境問題については食料不足や水不足による紛争を避けるためとし、グラミン銀行へは貧困から起こる紛争を事前に防いだためとしています。
また、南アフリカのツツ司教への授与でアパルトヘイト撤廃に繋がったり、2010年中国の劉暁波氏へ授与することによって、世界に中国の言論等の不自由さを示して中国に対するメッセージとするなど、ノーベル平和賞の思惑は多岐に渡っています。

※イケマメ(ノーベル平和賞の思惑ver.)
 1、今年の授賞式、パキスタンのマララ氏とインドのサティヤルティ氏の出席により両国の首脳会談を目論んでいる。
パキスタン国内では、イスラム過激派に対するアメリカの無人機攻撃について空爆を正当化しようとしているのではないかとマララさんに対し不満を持つ人達も存在するが、インドのサティヤルティ氏にも授与したことで受賞式時に両国首脳を呼んで、カシミール紛争に手を打てないかという思惑がある。
2、インド独立の父には授与しない一方で、20世紀最悪の独裁者が平和賞候補となっていた。
第二次世界対戦中、スウェーデンやノルウェー付近はナチスドイツに占領され、国王がイギリスに亡命して助けてもらった過去があり、イギリスから独立したインドのガンジーに対しては5回候補となるも、イギリスへの配慮か平和賞を授与していない。
一方、そのナチスドイツの総統ヒトラーに対しては、戦争抑止のため平和賞候補としたことがある。
3、ノーベルはスウェーデン人であるが、平和賞のみノルウェーで選定される。
物理学賞・化学賞・生理学医学賞・文学賞・経済学賞・平和賞と6部門あるが、当時スウェーデンが隣国ノルウェーと険悪な関係だったことから、戦争か平和かの瀬戸際にいるノルウェーの人に平和賞を選んでもらうとして関係改善を試みた。

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作/磯ちあき