池上さんの番組を見ていると『池上さんは一体何人いるのだろう?』と思うことがあります。
新番組が始まったと思ったら、フィリピンのスラムで取材をしていたり、愛知で学生相手に講義していたかと思うと福島第一原発に足を踏み入れていたりするのです。
今回も池上さんはイタリア・ナポリ、そして群馬県嬬恋村鎌原地区と、相変わらず世界を股に掛けた取材をされていました。

3年前の東日本大震災以降、日本は地震と火山の新たな活動期に入ったと言われています。
昨年世界遺産に指定された富士山ですが、3200年間で100回の噴火を経験し、平均で30年に1度は噴火しています。前回の宝永噴火は1707年、300年以上噴火が起こっていない現在は異常とも言え、大噴火はいつ起こってもおかしくない状況と言えます。

今年2月、国や静岡・山梨・神奈川の3県で組織する富士山火山防災対策協議会は、1707年の「宝永噴火」級の富士山噴火に備えた広域避難計画を公表しました。
もし、富士山大噴火が起こった場合、大都市東京は一体どのような状況になるのでしょうか。
まず、火山灰を電子顕微鏡で見るとトゲがあり、ガラスに似た形状となっています。これが目や鼻に入れば人々に健康被害を及ぼします。
また、火山灰が降ると、東名高速・東海道新幹線・羽田空港・成田空港などの交通機関は全て使えなくなります。さらに火力発電所が使用できず大規模停電が起こり、延いては水道も使用できなくなるため、ライフラインが止まる可能性もあります。
池上さんは「地震対策のためだけでなく、火山噴火対策としても1週間分の食料の備蓄は必要」と発言していました。

さて、来るべき大噴火に備えて私たちは一体何をすべきなのでしょうか?
そのヒントは約2000年前の古代ローマにありました。西暦79年、南イタリア・ナポリの火山ヴェスヴィオは大噴火を起こして近隣の街を滅ぼし、約2000人が犠牲となりました。
池上さんは、火山が都市を埋め尽くした唯一最大の現場ポンペイ、一番多くの犠牲者を出した船着き場ヘルクラネウム、そして日本の調査隊が発掘作業を進める巨大遺跡ソンマ・ヴェスヴィアーナに赴き、火山大噴火の凄まじさを解説。

ナポリではここ数年、市街近辺で火山活動が活発になり噴火の危機があるため『ナポリを見て死ね』ならぬ『ナポリが死なないうちに見ておけ』と言われています。それでもナポリの人々は、美しい景色とヴェスヴィオ山によってつくられた豊かな食文化に魅せられこの地に住み続けるのです。

火山列島である日本。富士山もいつ噴火してもおかしくない状況にあります。
古くから火山と密接につきあって生きてきた私達日本人の心のシンボルでもある富士山。
古代ローマの教訓を踏まえ、過去を忘れず歴史に学ぶことの大切さと、火山がもたらす自然の恵みと脅威に対して私たちは謙虚でありたいなと再確認した今回の特番でありました。