今回の未来世紀ジパング、ひとつひとつ取り上げれば手からこぼれ落ちそうなほどの情報量で、とても見応えがあるものでした。しかし、この番組をトータルで見た場合に思い至ったのは、今年は『潜在的な対中シフト』の確立がなされたのだろうなということでした。

私事で恐縮ですが、就職したての20年程前、私にとって中国の方々は難民認定法違反でお見掛けする人たちでしかありませんでした。経済的貧困から抜け出すため危険を承知で海を渡ったにもかかわらず、水際で逮捕され本国へ送還されてゆくその記録を見ては「日本に来るために苦労したのにねぇ・・・」と思っていたことを覚えています。
しかし近年、夜のコンビニでは中国人のレジも見慣れ、流行語大賞では『爆買い』が選ばれ、離島では中国船によるちょっかいが多数見受けられることを思うと、その静かなる侵食に驚かされるばかりです。

番組では今年を象徴する写真が数枚取り上げられていました。
そのひとつに今年9月に撮られた南シナ海の中国による人工島の衛星写真がありました。そこには滑走路が作られており、軍事基地化していることが理解できました。
中国は「南沙諸島は古来から中国の領土である」と主張していますが、南シナ海への進出拠点とされる海南島では、中国で規制されているはずのシャコガイ船の漁民に対し、民兵として政府より補助金が供給されており、リゾート地としての観光地化と共に軍事拠点化しているとの話題に中国の強かさを感じました。
それと同時に、私の頭の中には尖閣だけではなく、最近頻繁に紙面を賑わせている日本のある地域が思い浮かびました。
さて、最近アメリカ親中派マイケル・ピルズベリー氏が、アメリカの「経済的発展がなされれば民主化するだろう」との対中政策が間違っていたと指摘する書籍『China 2049』を出版しました。
アメリカは1972年の毛×ニクソン会談より中国の成長と発展を秘密裏に支援してきたとのこと。
しかし、中国の野心はアメリカに追い着き追い越すことだったとされており、鄧小平氏の「韜光養晦(日本で言うところの能ある鷹は爪を隠す)」は滞りなく遂行されていることがここでも窺えました。

さらに写真を取り上げるとすれば、日韓首脳会談の安倍首相と朴大統領の握手写真でしょうか。
奇しくも昨日韓国との間で慰安婦問題が『最終的かつ不可逆的解決』との合意に至りましたが、韓国で国定教科書へのデモを起こしていた386世代と呼ばれる教師たちが反日的教科書で育った世代であり、韓国の歴史教育が左派から右派へと移行するような動きがあることを思うと、その一方で、日本では昨年、朝日新聞による誤報取り消しがあったことを思うと、私達が今まさに生きているこの現在の歴史のうねりも良くできているものだなぁと感慨深くなりました。
しかし、昨日の慰安婦合意で『アメリカが歓迎』というニュースを見てにやりとしたのは私だけでしょうか。

今年1年、日本でもたくさんのうねりがありました。
世界の潮流に添って日本の立ち居地も変化していることを感じます。私たちは発信される情報に動かされるのか、それともひとつのツールとして活かすことができるのか。
何はともあれ私たちは賢い消費者でありたいものです。