10月4日に放送された番組は、17年ぶりの消費増税が発表されたその3日後でした。池上さんはアメリカのデフォルト危機と、日本の消費増税に伴う経済対策を受けてまたまた緊急生放送。もともと予定されていた伊勢神宮の式年遷宮と神道の話から宗教法人、そして靖国神社参拝問題の解説と盛り沢山の内容となりました。

消費増税と経済対策

10月1日、安倍総理は消費税3%の引き上げと5兆円の経済対策を表明しました。
これは単純計算すると増税で3P上乗せされるものを経済対策で2P差し引くという一見矛盾した政策となっていますが、アベノミクスで上昇傾向にある景気が消費税増税により腰折れするのを阻止すべく打ち出されたものです。
5兆円投資による賃金上昇で経済が好循環となれば、消費税と共に経済成長による税収の増加がもたらされて財政再建を成し遂げられるという安倍総理の強い姿勢の表れといえるでしょう。
10月4日現在のマーケットの反応は国債の長期金利も下降気味であり好感を得ているようです。

アメリカ債務危機

アメリカの債務危機とは簡単に表現すればオバマケアとティーパーティの戦いです。
国民皆保険制度を掲げる民主党と小さな政府と自己責任論を掲げる共和党保守派の争いから予算が成立せず、10月1日から政府が閉鎖されています。10月17日の債務上限の引上期限までに合意ができなければアメリカはデフォルトする、ということになります。
まぁ実際はデフォルトしているようなものではありますが、これからどんな着地点を探っていくのか注目です。
(発言は10月4日時点)

靖国神社参拝問題

安倍首相には『秋の例大祭に靖国神社を参拝するのか?』という問題も浮上しています。
総理大臣の靖国神社参拝が問題となるのはA級戦犯が合祀されているためと言われていますが、そもそもA級戦犯とは第2次世界大戦後の東京裁判で「平和に対する罪」として裁かれた戦争犯罪者のことです。
敗戦によるGHQの占領が終了し、日本が主権回復した1952年国会で「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」が全会一致で可決され、服役者は釈放・処刑者は「公務死」扱いとなり、受刑者の罪は消滅したものとされました。
これを受け日本国内の法律上戦争犯罪人は存在しないと考えられるようになり、1978年密かにA級戦犯の合祀がなされました。その後も歴代総理は戦没者慰霊のため靖国神社に参拝していたのですが、1985年8月15日終戦の日、中曽根総理が公式参拝した旨の発言を契機に中国や韓国から『軍国主義の復活ではないのか』と批判されるようになり現在に至っています。この国々との見解の相違は‘何人も亡くなれば全てを水に流して神様として祀る’という日本文化が外国には理解され難いという背景があるものとも考えられます。

伊勢神宮式年遷宮

さて本題の伊勢神宮の式年遷宮ですが、伊勢神宮とは内宮の皇大神宮・外宮の豊受大神宮を中心とする125宮社の総称で、天照大御神が祀られています。天照大御神は神様の中でも最も位の高い神様とされ、古事記にはその子孫が皇室へと繋がるとの記載があり、ご神体は三種の神器のうちの八咫鏡となっています。
また式年遷宮とは1300年前からの神事で、20年ごとに神座を移す神様のお引越しであり、俗説では正宮が右側の場合『米蔵』と呼ばれ、豊作となるが景気が良くない20年と言われ、左側の場合『金蔵』と呼ばれ、景気は良くなるが戦乱の世になるとも言われています。今回の遷宮は左側となっており、失われたと言われる20年を取り戻し、今後の経済発展を期待したいところです。

イケマメ

1,靖国神社は1869年(明治2年)大村益次郎が戊辰戦争の新政府軍戦没者を慰霊するために発案し、明治天皇の命により東京招魂社として創建され、10年後現在の靖国神社と名称が変更されたのが始まりで、東京招魂社時代にはフランスサーカスや競馬が行われるなど祭場となることもあった。
2,現在の日本では信教の自由が認められ18万の宗教法人が存在しており、その公益性のため税金の優遇がなされているが、1985年京都で古都税が実施されると京都仏教会が反発し、寺院の一部が拝観停止を実行するなど海外ではテンプルストライキと報道され話題となるも、3年後古都税は廃止された。
3,伊勢神宮の内宮は日本全体の氏神様であり、元々は天皇陛下または陛下が特別に許可した人しかお参りできないもので本来は日本の弥栄や発展を願う場所であり、個人的なお願いをすることは不適切であるとされている。また、伊勢神宮で取り壊された正宮の資材は東日本大震災で倒壊した神社を再建する際の材料となる予定。正殿の棟持柱は宇治橋の鳥居となるなど、無駄にならないようリサイクルされている。