「地震だからと言って諦めてはいけない。対策をとれば救える命がある」

今回の池上さんはいつもの池上さんとは違いました。
また3.11がやってくる。あの東日本大震災から3年、私たちは日常生活に追われ、当時受けたはずの強い衝撃も風化したきらいがあります。
昨年12月、内閣府は驚くべき首都直下地震の被害想定と対策を提示しました。

番組はその想定内容に沿い、被害数字を示すこととその対策を提示することに徹底していました。
他番組ではいつもにこやかな池上さんなのですが、そこに笑みは無く、今回は突き放すような物言いの場面もありました。これは、みんなで地震という現実にしっかり向き合うためではないかと感じました。

番組内容は南海トラフ地震と首都直下型地震に特化していました。
南海トラフ地震のポイントは長周期地震動で、遠くで起こった地震であってもその揺れが地平を伝わることによって地震発生後30秒程度で共振が始まり超高層ビルを揺らすとのこと。東京には超高層ビルが約1000棟存在しており超高層ビルが揺れた場合、高層階の人は立っていられませんし、また、意外なことに長時間の揺れになると中層階の方が大きく揺れるため家具などの散乱に気をつけなければなりません。
今回、超高層ビルが長周期地震動にどれくらい耐えることができるのかという実験が行われ、1980~90年ごろに建設された耐震構造の高層ビルでも中の人を守る設計であることが判明しましたが、東京・名古屋・大阪の地盤が軟らかいところでは、ピーク時200mの高さのビルが4秒間で左右3m揺れ動くことが想定されています。

また、首都直下型地震で一番恐れられているのは火災で、7割が火災による死亡と想定されています。
この火災の主な原因は通電火災で、地震によって家具や洋服などが散乱した後に停電から復旧すると、そこから出火して火災に至るケースを指し、これを防ぐため、『地震が起こったらブレーカーを落とす』と心に留めておくこと、また、そのような余裕がない場合に備えて自動的にブレーカーを落とす装置の紹介もなされていました。

東京都は努力目標として事業者に3日分の水と食料を備蓄する等の帰宅困難者対策条例を定めましたが、私達自身も、身近なことで自らができることとして、まずは3日から一週間分の水と食料を備蓄しておきたいものです。

なお、番組内では「直下型地震が来てしまったらもうダメだと諦めるしかない」との意見もあったのですが、それでも池上さんは、「内閣府の想定は危機感を持ってもらうために最大の被害数字となっている。地震の前に対策をとれば救える命がある、諦めてはいけない。命を守るためには、まずは知ること、少しずつでも行動を起こすこと、みんながひとつずつ対策を積み上げて被害を減らせばそれが自分・家族・多くの人の命を守ることになる」と結んでいました。

数日後、東日本大震災から3年目を迎えるにあたり、色々なところで記憶の掘り起こしが行われると思いますが、まずは自分が自覚すること、できることを確認しておくことが大事だと学んだ今回の特番でした。