私たちが暮らす国日本。
日本史を学ぶと、縄文・弥生から始まり、その後の時代は天皇を含めて語られることがほとんどです。日本の歴史は天皇と共にあると言い換えることができるのではないでしょうか。

今回の『戦争を考える 池上彰の教科書に載っていない20世紀』は8回目、今回は戦後日本の礎を築いたマッカーサー司令官と昭和天皇を軸に番組が進行していきました。

その一方で、昨日今上天皇から生前退位のご意向の言葉がありました。
天皇陛下のお言葉の中に『日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました』とありましたが、この背景に思いを馳せると、今回のテーマである昭和天皇とマッカーサーに辿り着き、歴史が途切れることなく続いていることを思い知らされるばかりです。

さて、番組はアメリカ占領下の6年間にマッカーサーと昭和天皇が戦後の日本をどのように形づくったのかを解説。3つのキーワードとして『天皇制』『民主化』『憲法改正』が挙げられました。

印象的だったのは、マッカーサーは戦前来日したことがあり、また関東大震災時には救援物資を送ったなど、日本との繋がりがあったとのエピソードでした。
その際マッカーサーは「日本人が持つ天皇への狂信的な信頼と尊敬」を感じ取っていたとのこと。戦後のアメリカでは7割が天皇の戦争責任があるとの世論調査の結果を思うと、その後の占領政策でマッカーサーが『天皇制』を残したことに歴史の綾を感じました。

また、マッカーサーは日本の『民主化』を指示します。その一環として、女性解放・教育の民主化・経済の民主化・労働運動の奨励などを遂行。『民主化』に伴い主権は国民にあるとされました。ここで『憲法改正』に繋がっていきます。
マッカーサーは憲法草案を作るよう幣原総理に指示しますが、事前に漏れた試案が大日本帝国憲法と変わり映えしないものだったため、今話題のGHQ草案が作られることになり、それを元に日本国憲法が制定されました。ここで天皇は日本国民の統合の象徴と位置付けられたのでした。

一方の昭和天皇ですが、いわゆる人間宣言後の昭和天皇は戦争で傷ついた国民を癒し励ますため巡幸を始められます。そして、新憲法については「徹底的な改革をすればよい。天皇自身から政治機能の全てを剥奪するものであっても全面的に支持する」と幣原総理に語られたとのこと。ここには『天皇制』を残すことができれば政治機能は失っても構わない、との意図があったのではないかと言われています。

番組の最後に、昭和天皇から敗戦直後に皇太子(今上天皇)にしたためた手紙が読み上げられました。

敗因について一言いわしてくれ わが国人が あまりにも皇国を信じ過ぎて
英米をあなどったことである。
我が軍人は 精神に重きをおきすぎて 科学を忘れたことである。

明治天皇の時には 山県 大山 山本等のごとき 陸海軍の名将があったが
今度の時は あたかも第1次世界大戦の独国の如く
軍人がバッコして大局を考えず 進むをしって 退くことを知らなかったからです。

この手紙を弱冠11歳で受け取られた今上天皇が、昭和天皇の崩御後現在まで平和を願い、象徴としての天皇の職務を全うされている姿を思うと涙腺の緩みを抑えられません。

昨日の天皇陛下のおことばを重く受け止めて、今後陛下のご意向に添う流れとなるよう、心より祈ります。