「人間は学習しない生き物」とは言いますが、リーマンショックからまだ10年も経っていないのにまた同じようなことが起こるかもしれないなど、ほとほと肩を落とすしかありません。その間いくら大統領選を2巡したとはいえ、個人的感想を述べるとすれば「アメリカさん、またですか」です。

 今回の『池上彰のニュースそうだったのか!』では「世界はお金で繋がっている」とのテーマで、お金や経済の話について基礎の基礎から解説がなされました。
 世界的不況が起こるかもしれないという重めの話題でしたが、株式は相変わらず野菜のカブで表され、社債に至っては動物のサイになっており、金融商品というテロップの背景では、八百屋と思しき店頭にカブとサイが並べられていて、重い話題なはずなのになぜか鼻から息漏れるという、池上さんの番組ではよく見られる演出がなされていました。

 さて、最近ガソリン価格が安くなっていますが、この原油安により近々歴史的な金融パニックが起こるかもしれないと投資家の間で不安が広がっているとのこと。なぜ原油安によって世界的な不況が起こるのか。それはアメリカを世界第一位の産油国に引き上げたシェールオイルによるものでした。

 シェール革命と言われた数年前、アメリカではシェールオイル採取のため数々の企業が生まれました。シェールオイルは地下深くのシェール層から採取され、これまでとは違う方法で採掘しなければならないため莫大な費用を必要としました。そこで、比較的信用の少ない中小企業は高い金利で社債を発行し、シェールオイル採取に着手します。企業側としてはシェールブームによってオイルが高く売れるから大丈夫だろうという目論見があったとのこと。 
 一方で「ジャンク債」と呼ばれるその高リスク高金利の社債は、金融会社によってリスク回避のため、複数の社債をまとめて一つの金融商品に仕立てて世界中の投資家たちに販売されており、その借金総額は100兆にのぼるとのこと。

 産油国第一位となったアメリカですが、最近中東で石油が増産されるようになり、また、中国の景気減退によって石油を必要としなくなるのではないかとの不安の相乗効果で、石油の値段が下がり始め、シェールオイルが高く売れれば大丈夫だろうという目論見は脆くも砕け散りました。
 さらに、そのジャンク債が4月に期限を迎え、高い金利を付して借金を返さなければならないという泣きっ面に蜂状態で、ジャンク債が紙くずになった瞬間、企業の倒産により銀行なども影響を受けるのではないかと、世界の投資家たちは現在不安に苛まれているとのこと。
 
 『いつか来た道』との言葉がなんとなく頭に浮かんでくるのは私だけではないはずですが、この投資家達の不安の行き着く先が日本の円高に結びついているとは意外です。つまり、アメリカ経済が減退すればドルの価値が下がるため、ドルが円に換金され円高になっているとのこと。

 それだけ世界では円が信頼されているとの証ではありますが、裏を返せば世界の思惑に日本が影響を受けているということで、「世界はお金で繋がっている」という仕組みは理解したものの、今後2008年と同じ轍を踏むことがないよう願うばかりです。