3月を迎えると、日本人であればきっと思い返すあの日のこと。5年の月日を経て、振り返ってみると3.11が契機や岐路になったと言われる方も多いのではないでしょうか。

 今回の特番は『教科書で学べない』シリーズ第2弾。
 前回は戦争、今回は災害と、重くなりがちなテーマなのですが、櫻井君とゲスト達の軽妙な遣り取りがそれを感じさせず、家族全員での視聴を可能にするその雰囲気作りにジャニーズの力量を感じました。

 さて、この番組の中で一番印象に残ったのは、やはり羽生結弦選手でしょうか。
 震災から3年後のソチオリンピックで金メダルを獲得した際、インタビューで震災について尋ねられ、振り返ることを拒んだ羽生選手でしたが、今回は被災地を訪れて当時を振り返りながら、丁寧に丁寧にこう語りました。
 「震災がなかった人生って自分の中で思い浮かばないです。受け入れることができるんですよね、これが普通だって。震災って普通じゃないことなのに、ここから歩み出していくことが、すごく普通に思える。その当時の場所にいるからこそ思える。
 僕たちは生きている人間だからこそ命を全うして、亡くなった方々やもっと今つらい思いをしている方々に対して胸を張って生きられるような生き方をしなきゃいけないと強く思っています」
 この言葉に、実際の被災者だからこその言葉の重みと、5年という時の流れがもたらした心の傷の昇華のようなものを感じました。

 その一方で、時間の経過を拒んでいる場所がありました。
 仙台空港周辺、更地となったところに今なお残る一軒の建物。1階部分は津波で流され、2階部分だけを残して佇んでいます。所有者の鈴木さんは、何を語るよりこれを一目見る方が津波の現実が伝わると、この建物を残すことに決めたそうです。
 
 番組内では、震災の記憶を心に留めることもさることながら、様々な災害から命を守るヒントや役立つ情報を紹介していました。内容は下記のとおりです。
 1,スーパーやコンビニなどで地震にあったら外に出たりせず買い物カゴで頭を守る
 2,素手で頭を守る時は動脈のある手の平で受け止めようとせず、手の甲を上にする
 3,避難時近くに広い公園がない場合はガソリンスタンドに一時避難する
 4,人間の心理には正常性バイアスと多数に同調してしまう心理があるため、自分で考えて行動することも必要
 5,避難の合言葉は『おかしもちぽ』
   押さない・駆けない・喋らない・戻らない・近づかない・ポケットに手を入れない
 6,究極の保存食は削る前のかつお節(棒状)
 7,非常時役立つのは包帯やロープとなり断熱効果もあるラップ、そして即席ランプとなるツナ缶

 なお、番組冒頭で池上さんは『天災は忘れた頃にやってくる』との諺を紹介する際、「要するに災害というのは人の裏をかくんだよ」と言い換えていました。
 その表現は本質的でありながらも私たちに残酷な現実を突きつけます。災害が人の裏をかくのであれば、私たちは裏の裏を読まなくてはなりません。そのためにも災害に対する知識をきちんと得ておくこと、自分の頭で考えて行動する習慣を身に着けておくことが重要だと思いました。