先々週の週末の特番を皆さまはご覧になられたでしょうか。
金・土のゴールデンで戦争・武器、さらには自衛隊を取り上げるなどひと昔前なら有り得なかったことです。時代の波もあるとは思うのですが、拒否反応を起こすこともなく、「プロパガンダだ」ともならず、武器や自衛隊の話題をあくまでも『解説』の枠組み内で収めてしまえるのは池上さんだからこそだと、その立ち位置の貴重さに頭が下がります。

さて、災害が起こると必ず助けに来てくれる『自衛隊』。
思い返せば東日本大震災の時も、先日の鬼怒川決壊の際にも、彼らの活躍に勇気付けられた方は多いのではないでしょうか。

しかしながら『実は知らない自衛隊』。
世界から見れば軍隊、しかしあくまでも専守防衛とする日本の自衛隊は攻撃ミサイルを保持していないなど、知れば知るほど昨年の安全保障関連法案への謎も解けていく感がありました。

例えば日本領海内に不審船が侵入した場合、まずは海上保安庁が出動するのですが、それで対処できない場合に海上自衛隊が出動しています。
保安庁は海の警察で、自衛隊はそれよりも広範囲をカバーしており、そのなかでも重要とされているのが南シナ海から東シナ海を渡って中東から石油や天然ガスを運ぶシーレーンで、無事にタンカーが航行できるように海自の潜水艦や対潜哨戒機が監視しているとのこと。
また、国籍不明機が日本領空に接近した場合は、警告のため航空自衛隊によるスクランブル発進がなされるのですが、昨年のスクランブルは943回と、冷戦時代の1984年の944回に次ぐ多さであり、情報収集のため中国やロシア戦闘機が接近する回数が増えているとのことです。

さて「最近日本周辺が騒がしい」とはよく耳にするフレーズですが、日本の基地(駐屯地含む)260のうち、陸上自衛隊の駐屯地は158、現在最多の38駐屯地が北海道に配置されています。
それは冷戦時代のソ連に対抗するためでしたが、最近では北の脅威が薄れて尖閣諸島周辺が危うくなっているため、重点を南へとシフト化する傾向にあります。
尖閣といえば、輸送機オスプレイの導入は尖閣への敵の上陸を想定したとのこと。滑走路の無い尖閣では、離島で力を発揮し垂直着陸可能なオスプレイを購入することで、敵に対し「尖閣へ上陸すればオスプレイにより攻撃される」との抑止力になりうると解説。
また、オスプレイのみならず、前日特番の『軍需産業・軍産複合体』の話題とリンクするかのように、輸送車『水陸両用車』、戦車『機動戦闘車』、無人偵察機『グローバルホーク』、ステルス戦闘機『F35』の導入についても触れられていました。

最後に池上さんは自衛隊の特別手当の低さについてこう結んでいました。
「自衛隊はそもそも入隊時に『日本国憲法を守り、我が身の危険を顧みず、国のために尽くすことを誓います』と宣誓して入隊するのだから特別手当が低くても当たり前という認識がある」と。

最近の日本周辺が騒がしくあろうとも、彼らのその尊い志が、前日特番での「戦争はビックビジネスだ」とする意図的な考えを持つような人たちに蹂躙されることが無いよう願うとともに、私達自身もこれから起こる出来事を意識的に見届けなければならないな、とも思いました。