池上さんと宇賀アナウンサーが高校の先輩後輩の間柄とは意外でした。母校の東京都立大泉高校学校・付属中学校での池上さんの講義、今回のテーマは『アメリカ』です。
 さて、大国は沢山あれどもアメリカは独立200年にしてなぜ世界のリーダーに成り得たのか。せっかくの池上解説、ここでアメリカについておさらいしておきましょう。

 そもそも合衆国とは、王によって国が統治されるのではなく、選挙により選ばれた代表が政治をする国(共和国)のことで、アメリカ合衆国は18世紀に13の独立した州(国)が集まってUnited States of America ができたのを皮切りに西側へと拡大し、現在では50の州で構成されています。日本のように日本国の中に県があるのではなく、州ごとの軍隊があり、それぞれの州法も存在しています。
 
 ところでアメリカ合衆国は多人種・多民族国家として有名ですが、もともとキリスト教プロテスタント教徒のイギリスからの移住によりできた国であるため、移民の受け入れに関しては大らかです。多種多様な考え方による成長度合いが高く、その例としてノーベル賞受賞者が圧倒的に多いことが挙げられます。第2次世界大戦時、ナチスドイツによるユダヤ人迫害が行われたため、優秀なユダヤ人科学者がアメリカに亡命、そこで科学技術の基礎が築かれたという経緯があり、また、ソ連崩壊時にはソ連の技術者を受け入れたり、現在では、インドや中国の技術者も数多くアメリカに移り住んでいるとのこと。
 
 『人種のるつぼ』と表現され、スケールの大きさが感じられるアメリカですが、それは世界一の経済大国になっていることでも明らかです。GDPはダントツの世界第一位、アメリカはどのようにして現在の地位にまで上り詰めたのでしょうか。

 第一次世界大戦で既に経済大国となっていたアメリカですが、第二次世界大戦で急激な経済成長を遂げます。
 その理由は、戦場となったヨーロッパでは工場が破壊され生産が困難となり、武器や兵器だけでなく生活必需品も不足、そこでアメリカはその一手を引き受け、『物を作っては輸出する』という『世界の工場』となるのです。また、売買時には通貨の信用懸念により、紙幣ではなく『金(GOLD)』で取引をするようになったため、第二次世界大戦後のアメリカは大量の『金』保有国となっていたのでした。
 その後『金を制する者が世界を制する』の論理が働いて世界の基軸通貨がアメリカドルとなり、それに伴うように国際的発言力が増加、現在まで経済大国NO,1の地位を維持しています。

 さて、アメリカの良い面ばかりを見てきましたが、ODA(政府開発援助)第一位は意外な結果でした。9.11同時多発テロをきっかけに、2001年から開発途上国への援助を増やしているとのことです。
 池上解説によると、9.11でアメリカを憎む人の存在を知る→反省→貧しい国や格差のある国に援助→その国が経済発展すればもっと平和になるのでは?アメリカを憎む人も減るのでは?
との思いで援助がなされているとのこと。

 アメリカはその存在感で夢や希望を掻き立てる国でもありますが、その存在の強さによって負の側面を併せ持つ国でもあります。日本にとっては、70年前までは敵国・現在では同盟国であるアメリカについて、ここで一考してみてもいいのかもしれません。