久々の2週連続の『未来世紀ジパング』、今回はカスピ海を囲んで向かい合う二つの国が取り上げられていました。
1週目は池上さん注目の『中央アジアの北朝鮮』トルクメニスタン、2週目は『第2のドバイ』火の国アゼルバイジャンです。

鎖国状態で徹底した大統領個人崇拝の国トルクメニスタン、今回日本の報道番組として初めて取材許可が出ました。
1991年ソ連崩壊時、圧倒的支持で大統領に選ばれたニヤゾフ大統領。その政策により、インターネット、バレエオペラ・外国映画を禁止、地方の図書館や病院を閉鎖、言論統制もされていました。しかし、2006年大統領急死で翌年就任したベルディムハメドフ大統領は、周辺国の衛星放送を娯楽として認めるなど、言論統制以外は徐々に開放路線へと変化しています。
独裁国家運営には何らかの資源が必要ですが、トルクメニスタンの富の源泉は天然ガスです。2006年に発見されたガルキニシュガス田は世界第2位の埋蔵量ですが、プラント設計や建設は中国がサポートしており、7000キロのガスパイプラインが中国まで繋がって、最大の貿易相手国となっています。
しかし、日本ブームの兆しがあります。現大統領は日本びいきで、トヨタのシェアは60%。またコマツのショベルカーが支持され、川崎重工と双日によって天然ガスから化学肥料を生成するプロジェクトが進められています。

一方、アゼルバイジャンでは現在経済が沸騰中です。
カスピ海に人工島を浮かべて巨大都市を建設する世界一のプロジェクトが動き出し、2030年にアゼルバイジャンタワーが完成予定で、海外からの投資が5年前の2倍になっています。
また、首都バクーは20世紀初頭オイルラッシュに沸き1960年に衰退するも、1991年のソ連崩壊による独立で欧米の技術が入ってきたことでカスピ海油田の開発に成功。ACG油田は品質が圧倒的に高く、黒い金と呼ばれ、毎日74億円の原油を産出しています。
その巨大精製ターミナルには伊藤忠商事が参画し、そのパイプラインはBTCパイプラインとしてトルコまで繋がってヨーロッパに大量輸送されています。また、イタリアまで届く天然ガスパイプラインが2019年完成予定。2015年にはヨーロッパ競技大会がアゼルバイジャンで開かれ、2年後にはF1レースヨーロッパグランプリも開かれるなど、アゼルバイジャンは確実にヨーロッパの一員になろうとしています。
 
イケマメ(池上さんの豆知識)
1、池上さんの報道の自由の尺度とは
各々の国で自国政府への批判記事があるかどうかで判断可能。国の政策を褒め称える記事のみならば報道の自由度は低い。日本は政府批判の記事があり報道の自由は存在する。
2、カスピ海は海か?湖か?
日本の小学校の地図帳では『カスピ海は世界最大の湖』と表記され、国土地理院によれば湖と海の違いは『現地現象を尊重する』とのこと。カスピ海周辺国では、海であれば油田やガス田の排他的経済水域が適用され、湖であれば周辺国での共同管理となるため、200海里以内に海底資源のないイランは「カスピ海は湖だ」と主張している。
3、スタンの変化の波
トルクメニスタンとはトルクメン人の国という意味。カザフスタン・ウズベキスタン・アフガニスタン・パキスタン等、治安の良くないイメージがあるため、キルギスがキルギスタンから国名を変えたように、スタン諸国ではイメージ脱却のためスタンを変えようという動きが起こっている。