戦後からもう70年。世界情勢が大きく変わりましたよね。ここでね、また新しい動きがあるのかなということなんですね。
ここが独立したら「おお、我々もやれるぞ」っていうことになって、世界がどんどん1つにまとまっていこうという動きの、逆の動きというのがこれから出てくるかもしれない。

確か時代は近現代だったはずだけど?と、首を傾げたくなるようなニュースが蔓延する昨今。
中東では宗教を背景にした国家の樹立が宣言され、東欧では不凍土を巡って大国が半島へと手を伸ばし、西アフリカでは致死率の高いウイルスが猛威を振るって、我が日本では蚊を媒介とする熱病が広がりを見せる…。まるで時代が逆行しているかのようです。

今回の池上彰解説塾では、池上さんが驚き注目するニュースとして『イギリス分裂の可能性』が取り上げられていました。つまり、イギリスからスコットランドが独立しようとしているとのこと。

19世紀終盤、アメリカから経済規模で追い抜かれるまではパクスブリタニカと言われたほどの超大国だったイギリス。
そもそもイギリスとは民族も言葉も違う4つの国が集まってできた連合王国であり、正式名称はグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国と表現されます。
イギリス国旗いわゆるユニオンジャックを見ると、イングランド・スコットランド・北アイルランドのそれぞれの旗を合わせたものとなっており、連合国であるのが理解できます。
そのイギリスをイングランドと共に長い間支えてきたスコットランドが今月18日に行われる住民投票の結果次第ではイギリスから独立してしまうかもしれないのです。

1707年イングランドとスコットランドの合併によりグレートブリテン王国が成立しました。しかし、歴史ある文化を持ち、国としてのプライドも高いスコットランドでは、「いつの日か独立を」という想いが実は100年ほど前からあったとのこと。
その一方で、人口や経済力でスコットランドを上回り連合王国を牽引するイングランドですが、スコットランドが独立すると困る大きな理由が2つあります。

その1つ目は、国連により核保有を認められているイギリスですが、その核基地はスコットランドに存在しているため移転を要することとなるのですが、イングランドには相当の場所がなく、更に莫大な費用が必要になること。
2つ目はイギリスはEU加盟国の中で最大の石油輸出国ですが、収入の大半はイギリス、つまり政府が独占しているのですが、北海油田の最寄の地域はスコットランドであり、大事な収入源の北海油田、その年間1兆円以上の収入を失う可能性があること。
このように連合王国にとって無くてはならないスコットランドが独立してしまうと、たくさんの不都合が生じてしまうのです。

また、この投票の結果如何によっては、第2次世界大戦後、戦争を無くすため国境を無くして皆でまとまればいいとEUという大きな欧州連合を成立させた流れに逆行し、世界各地に存在する独立を願う地域の独立運動の口火を切ってしまう可能性も考えられ、スコットランド独立の是非を問う18日の住民投票の結果に注目です。

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絵・磯 ちあき