人間としてこの世に生を受けたからには避けて通れないことがいくつかあります。そのひとつが年を重ねることです。
現在の日本は高齢化が世界一のスピードで進んでおり、65歳以上の高齢者は4人に1人、20年後には3人に1人になると言われています。世界の人類がいまだ経験したことの無い高齢化に伴う社会問題、今回は詐欺について触れてみたいと思います。
最近の高齢者に関する問題で真っ先に思い浮かぶのは架空請求詐欺です。高齢者の平均貯蓄額は約2200万円と言われ、そこに目をつけた詐欺師たちが高齢者を狙っているのですが、詐欺の手口は年々巧妙になり、前年を上回るペースで被害が増え続けています。

例えば、警察官を騙る詐欺です。
これは、オレオレ詐欺の電話が架かってきた後に偽の警察官が自宅にやって来て「犯人間の連絡の行き違いで、受け子役の犯人が今から現金を受け取りにやって来るので現行犯逮捕のため捜査に協力して欲しい」と、その現金を一般人である高齢者に用意させ、高齢者が犯人に現金を手渡すと、そのまま犯人役と警察官役が逃げていくという手口です。
これは『頼まれると手助けしたくなるという高齢者の正義感の強さ』を突いてくるという極めて卑劣な手口の詐欺になっています。

また、高齢者がインターネットに詳しくないことを逆手に取った詐欺も横行しています。
例えば「宝くじのアンケートに協力してください」と電話が架かり「数字を選ぶ宝くじの当選番号を事前に手に入れることができるので会員にならないか」と勧誘してくるのです。「明日の新聞発表より先に当選番号をお知らせします」と高額の会員権を買わせるのですが、インターネットでは抽選直後に当選番号が発表されるのでそのタイムラグを悪用しているに過ぎないのです。

他の手口としては、税務署職員を騙って「税金の還付金があります」と電話を架けてくるものがあります。
『還付手続きはネットバンキングで行う』としてインターネットの銀行口座を開設させるために、本物のネットバンキングの申込書が送られてくるのですが、暗証番号欄には既に詐欺師が指定する暗証番号が記載されており、それ以外の欄を高齢者に記載させ、ネット口座が開かれた後に確認と偽り口座番号を聞き出して預金を全て引き出す、という手口です。

ここで共通するのは、最初は電話が架かってくる、ということです。
対処法として、税務署等の機関からの連絡は原則封書で届き、いきなり電話が架かってくることは稀であることを認識しておくことです。また、怪しい電話が架かってきた場合は、その機関の代表番号にこちらから電話を架けて事実確認をしてみるということです。

騙される人は何度も騙される傾向があり、カモリストなるものが裏社会では出回って売買されているようです。また、そのような人に対して池上彰の名前を使ってセミナー料金を巻き上げる等の不届きな詐欺もあるとのこと。その場合はきちんと警察に通報をお願いします。

本来であれば、騙す側・詐欺をする側が責められ吊るし上げられるべきですが、手口が巧妙になり、高齢者が騙される確率が高くなるに連れ、きちんとした情報を得て自分で自分の身を守ることが一番の防御策となっています。
その一方で、高齢者たちを騙す詐欺師たちには、いずれ自分たちも年を重ねて高齢者になるということに思い至らせて欲しいと願うしかありません。