『神さまはその名を掲げて人間が争い、血を流すことを本当に願っているのだろうか』と頭の中に『?』を浮かべながら見る中東情勢。オリンピック招致の生放送で前日徹夜だったにも関わらず、池上さんはシリアを巡る情勢が切迫してきたため緊急生放送でフル回転です。

2010年の『アラブの春』を発端とするシリア内戦で、2013年8月21日化学兵器サリンが使用され、オバマ大統領が軍事介入を宣言しました。このまま情勢が悪化・拡大の一途を辿れば、それを契機に1961年キューバ危機以来となる米ロ対立になる可能性があります。
シリア事情として次のことを知っておく必要があります。①イスラム教シーア派とスンニ派の対立②それに関連するイスラエルとイランの対立③さらに反イスラエルを掲げるイスラム過激組織ヒズボラへの対立の飛び火
…はてさて一国の内戦だったものが雪だるま式に拡大し、アメリカがシリア政権を攻撃すると中東全体が戦火となり、もちろんアサド政権を支援しているロシアとの対立も避けられない展開が想定され…。

不可解なのは、化学兵器を使用したのがアサド政権側か反政府側なのかがはっきりしていないこと。
頭によぎるのは2003年イラク戦争時、アメリカは大量破壊兵器があるとしてイラクを攻撃、蓋を開けたら大量破壊兵器などは見つからなかったという過去があり、武力行使への国民支持が42%の状況でイラク戦争への反対を掲げて大統領になったオバマが前轍を踏むようなことをするのか?ということ。

ちなみに2週間後の現在では、ロシアを仲介としてアサド政権側が軍事介入撤回後に化学兵器を引き渡すことを条件にアメリカの武力行使の回避を謀ろうとしています。

イケマメ(池上さんの豆知識)・シリア情勢篇
1,アサド大統領は2000年就任時には独裁政治との決別と米欧との協力を宣言していた。
2,イランは中東が戦火になればホルムズ海峡を封鎖すると示唆しており、世界への原油の供給が危うくなる側面がある。
3,日本はアメリカとは同盟関係にあり、一方で安倍首相はロシアとの北方領土解決を目指しているため、アメリカの軍事介入について『理解する』と表明するに留まった。